経歴
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2008〜
キーエンスへ入社16年間の勤務でFA関連の製品の営業を担当したほか、名古屋の営業グループの責任者も経験
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2024〜
Faber Companyに入社「DXミエルカ」の責任者に就任
キーエンス16年で実感した営業の面白さ
北見さんは前職、日本で最も高い平均年収を誇る企業・キーエンスで働いていたと聞いています。
はい。私は新卒でキーエンスに入社して、16年間FA(ファクトリーオートメーション)関連の製品を担当していました。扱っていた商材は、工場の設備を動かすコントローラーやモーターなどです。
キーエンスは優れた提案型営業=コンサルティングセールスで知られています。お客様が抱える課題や「こういうことを実現したい」というニーズを深くヒアリングし、自社製品でそれをどのように改善できるのか提案する。そうした営業スタイルを、私もずっと実践し続けていました。
なぜキーエンスに入社しようと思ったのですか?
学生時代から、自分の頑張った結果が数字で見えるという営業のあり方に関心があったんです。とはいえ、はじめからキーエンスを志望したわけではありません。ある時、同社の社員面談で同社のNo.1セールスだった人と話す機会がありました。彼の、見事に人の心を掴む話し方に、私は一瞬で心を掴まれたのです。ここで働けば、自分も日本トップレベルの営業マンになれるかもしれない。そんな夢を持って、キーエンスで働こうと決めたんです。
キーエンスでの日々は多くのことを学びました。情熱を持ってお客様に向き合うことで、その熱意がお客様に伝わり心を動かしていく。私の提案に「NO」と答えていたお客様が「YES」と言ってくださる瞬間は、大きな達成感につながりました。
代表・古澤の熱意と誠実さに心が突き動かされた
転職を考え始めたきっかけは何だったのですか?
転職前、私は名古屋営業所で営業グループの責任者を務めていました。もともとマネジメント職に興味はありませんでしたが、プレイヤーとは違う働き方に、やりがいや面白さを感じてもいました。一方で、この会社における自分の将来的なキャリアプランもある程度見えてきて、これでいいのか考えることが増えたんです。
そのタイミングで、代表の古澤と話す機会がありました。古澤は私に、「仕事をしていて、『やったぞ!』って思う瞬間はどんな時ですか?」と質問を投げかけてきました。正直、私はこの質問に戸惑ってしまったんです。なぜなら、そんなことを今まで考えてきたことはなかったから。
営業として数字を達成することに喜びはありました。でもそれは、古澤の言う「やったぞ!」という高揚感とは違うと感じたのです。古澤の一言は、自分自身を顧みるきっかけになりました。同時に、自分の中で「そういう経験をしてみたいかもしれない」という気持ちが芽生えていきました。
古澤さんの一言が、自分自身を顧みるきっかけになったのですね。
はい。私は面談で取りとめのない会話をしてしまったのですが、その内容も真正面から受け止めて、プラス面もマイナス面も総合して私を評価してくれました。そして、彼が掲げる「営業で日本一の組織を作りたい」という目標への熱意に、純粋に心を打たれ、入社を決めたのです。
大きな挑戦を後押ししてくれる懐の深さ
現在の仕事の大変さややりがいについて教えてください。
私は現在、新規事業である「DXミエルカ」の責任者を務めています。当事業は市場にあるさまざまなバックオフィス系クラウドサービスの代理店として、お客様に最適なソリューションを提供します。
Faber Companyの主力製品である「ミエルカSEO」とは異なる製品・ソリューションを販売するため、評価体制なども含めてゼロから自分で作っていかなければなりません。大変ではありますが、大きな裁量権を持って仕事に取り組める自由度の高さには、大きなやりがいを感じています。
また、古澤は新規事業開発という事情を踏まえて、たびたび声をかけてくれます。「焦らなくていい、必ずチャンスは来るから。その時に一気に成長できるように、今はしっかり準備をしておいてくれ」その言葉を胸に、着々と準備を進めているところです。
Faber Companyで働く魅力はどこにありますか?
「チャンスの多さ」だと思います。「DXミエルカ」で、「ローカルの展示会に出展したい」と声を上げたことがあります。既存事業の多くは東京など都心部で顧客獲得を進めてきましたが、「DXミエルカ」の主要顧客はローカルにいらっしゃると考えたからです。
多くの費用がかかる試みに対して、会社は「ぜひやりましょう」と快く承諾してくれました。メンバーの考えや決断を信じて任せてくれるという、懐の深さがこの会社にはあります。年功序列ではなく、やる気があれば若手でもどんどん挑戦させてもらえる環境です。実際に、入社5年目で役員になったメンバーもいるなど、挑戦しがいのある組織だと思います。
「なぜ?」への追求を定着させて主力事業へ成長させる
北見さんの今後の目標について教えてください。
私には、「DXミエルカ」を当社の主力事業にするという目標があります。達成に向けて具体的な戦略を練ったり人材の採用・育成を進めたりしつつ、「DXミエルカ」をFaber Companyの主力事業に成長させてみせる。そうやって、事業責任者として会社に貢献したいですね。目標の達成に向けて、私だからこそできる組織への貢献方法もあると思っています。
そのうちの一つが営業力の強化、特に「再現性の獲得」です。
Faber Companyには、「よくこれだけのメンバーを集めたな」と驚くほど優秀な人材がそろっています。その一方、個人に依存する側面が多いと感じています。メンバーの誰もが一定の成果を出せるような、営業の仕組みや育成方法の確立。これらは、私がキーエンスで培ってきた経験が活かせると考えています。
再現性のある組織を作るうえで、北見さんが大切にしていることはありますか?
「なぜ?」を常に考える姿勢です。目標に対して「できなかった」という結果自体は構いません。大切なのは、「なぜできなかったのか?」を突き詰めて考えることです。「なぜ?」と聞かれると、詰められているようで嫌だと感じる人もいるかもしれません。私自身も、昔は「なぜ?」と言われるのが嫌でした(笑)。しかし、物事の因果関係を明確にすることが、改善点を見つけて次につなげるための唯一の方法です。「なぜ?」を自問自答し突き詰めることができれば、物事を言語化できるようになる。それが結果的に「再現性」につながっていくと考えています。
「なぜ?」の追求が、結果として個人や組織の成長につながっていくのですね。
私がキーエンスで取り組んできたコンサルティングセールスも、Faber Companyの「DXミエルカ」も、お客様の課題を解決するという本質は変わりません。「こういう商品が欲しい」というお客様に対して、「なぜそれが欲しいのですか?」「何のためにそれが必要なのですか?」と問いかけ、潜在的なニーズを探っていく。それを繰り返すことで、お客様が本当に求めているソリューションを提供できます。
「なぜ?」に真摯に取り組める素直さを持つメンバーがFaber Companyには多いですし、これからジョインするメンバーにも求める姿勢の一つです。入社時点でバリバリ仕事ができる必要はありません。スキルや経験は、入社後の育成である程度どうにでもなると考えているので。それよりも、アドバイスや指摘を素直に聞き入れられるか、新しいことを吸収しようという気持ちがあるかのほうが大切だと私は考えています。
これまでのやり方に固執せず、まっすぐな気持ちで仕事に向き合える人と一緒に働きたいです。そんなメンバーと共に、熱意を持って新しいことにチャレンジし続けることで、再現性のある強い営業マンによる組織を作っていきたいと思っています。
※写真はすべてWeWork神谷町トラストタワーにて撮影