経歴

  • 学生時代

    明石高専 電気情報工学科から長岡技術科学大学 電気電子情報工学課程に3年次編入。
    自然言語処理の研究に取り組み、修士課程を修了。
    課外活動としてNHK高専ロボコンおよびNHK学生ロボコンに参加。

  • 2020

    1年目 Faber Companyに入社

    ミエルカ開発チームに参画し、社内蓄積データの分析に従事。

  • 2021

    2年目

    ミエルカヒートマップのWebページキャプチャ取得処理など内部機構の改善に従事。

  • 2022

    3年目

    テックリードチームに参画。
    リサーチャーとして研究活動に従事し、言語理解とコミュニケーション研究会(電子情報通信学会)で研究成果を発表。

  • 2023

    4年目

    検索意図の推定に関する研究に従事。
    人工知能を活用したコンテンツ作成支援技術を開拓。

  • 2025~

    6年目

    AIイニシアティブチームに配属

ロボットから言葉へ。知的好奇心が自分を突き動かしてきた

稲岡さんはどのような学生時代を経て、Faber Companyへ入社したのですか?

高等専門学校から長岡技術科学大学に進学し、自然言語処理の研究をしていました。高専時代からコンピュータに関連する技術に興味はありましたが、その中で知的好奇心の原点となったのはロボットでした。プログラムを書き、モーターを回すと物が動き出す。この仕組みの面白さが、私を夢中にさせたのです。大学在学中には、NHKが主催している学生ロボコンにも参加しました。

そして、私の探求はロボットから「言葉」、つまり自然言語処理へと変わっていきました。データに向き合いアルゴリズムを編むことで、新たなものが生み出される。「言葉」が持つ無限の可能性が、私を研究へと駆り立てたのです。結果、在学中は自然言語処理の研究について、学会や国際会議で発表する機会もいただきました。

ロボットから言葉へ。さまざまな領域に興味を持てることが稲岡さんの強みと言えますね。

そうかもしれません。その後、就職活動では学生時代に学んだ知見を活かせる職場を探していました。その過程でFaber Companyを見つけ、面談を通じて先輩である青柳などエンジニアチームのメンバーと話す機会がありました。

そこで出会った先輩方からは、Web周辺の技術は当然のように詳しいことに加え、一見関連性のない技術も意欲的にキャッチアップしようという姿勢を感じました。主体的に知識・技術の向上を続けサービス開発につなげている意欲に心を打たれ、「この人たちと一緒に働きたい」と思うようになったのです

テックリードチームでプロダクトの実現可能性を探求

現在の仕事内容について教えてください。

入社後は、Webユーザーの行動や思考を分析する自社ツール「ミエルカSEO」で活用している「自然言語処理」の研究などを行ってきました。入社1〜2年目以降はミエルカSEOの新機能開発や、ミエルカヒートマップのバックエンド側のインフラ開発などを担当しました。

3年目からは、実際に機能を作るための中心技術について「調べる」ことが主な仕事になりました。2022年9月には、新たなキーワード抽出方法について「周辺フレーズ情報の獲得に基づくキーワード抽出の検討」と題した論文を書き上げ、慶應義塾大学矢上キャンパスで開催された第19回テキストアナリティクス・シンポジウムで研究成果として発表しました。

Faber Company稲岡夢人が、第19回テキストアナリティクスシンポジウムにて研究発表

入社6年目を迎えた現在は、よりプロダクト開発に力を入れた業務が多くなりました。プロダクトチームとサービスに追加したい機能やお客様に届ける価値について議論し、技術的な調査・開拓が必要な課題について調査・研究するのが私の主な役割です。その中で特に注力しているのは、「ミエルカSEO」などのツールで得られた分析結果をもとにした「コンテンツ制作支援機能」の開発です

分析結果をもとにしたコンテンツ制作というと?

簡単にまとめると、「ミエルカSEO」ユーザー様がより価値のあるコンテンツを作るための土台作りをお手伝いするイメージです。分析ツールの場合、言ってみれば「分析結果」そのものが成果物になります。一方で、コンテンツ制作支援機能では「コンテンツのアイディア」が成果物となるわけです。

お客様は普段からさまざまなコンテンツに触れているため、ツールが提案するアイディアに対して非常にシビアな評価基準をお持ちです。その基準を満たすにはどうすればいいのかを確かめるため、お客様に機能を試してもらい、フィードバックをいただく機会が以前よりも格段に増えました。

メタ思考で究極解を見つけ出す面白さ

現在の仕事で、苦労している点や面白いと感じる点はどこにありますか?

難しさとやりがいの両方を感じているのは、第一線で活躍されているプロのノウハウを機能に落とし込むための「言語化」です

コンテンツ制作支援では、デジタルマーケティングやWebマーケティングといった領域の知識が必要です。いずれも私にとって未知の領域であり、ゼロから学び直すのは大変と言えば大変かもしれません。

とはいえ、社内にはコンテンツ制作を専門に行っているメンバーがいますし、社外でも協力してくださる専門家の方々がいらっしゃいます。そういった方々に直接お話を聞く機会を得られるのは、Faber Companyの強みです。おかげで、最前線で活躍するプロフェッショナルの知見を学びながら、機能の開発を進められています。

その過程で、私はよくプロフェッショナルの皆さんに「なぜこういう手順でコンテンツを制作しているのですか?」と質問します。しかし、そこで必ずしも明確な答えが返ってくるわけではありません。言語化する必要なく業務を遂行できているので、改めて「なぜ?」と聞かれても、うまく言葉にするのが難しいのです。こうした暗黙知を明らかにして技術に落とし込んでいくことが、私の重要な役割の一つだと思っています

暗黙知を言語化する過程で、大切にしていることはありますか?

社内外のプロフェッショナルに話を聞く時、メタ的な視点を持つようにしています。「こうやるんですよ」と手順を教えていただいた時も、「なぜそのやり方なんだろう?」「別の方法ではダメなのだろうか?」と、あえて一歩引いて考えてみる。この工程を挟むことで、お客様にとって最も価値のあるサービスを提供できると思っています。

お客様から「こういう機能がほしい」というご要望をいただいた時も、メタ的な思考は役立ちます。お客様の要望は、どのような背景から生まれたのか。この点を深堀りすることで、「お客様の本質的課題はここにあるのではないか」という仮説が生まれます。その課題を解決できる機能を開発することで、より多くのお客様に価値を届けられる可能性が生まれるのです。

Faber Companyの価値観の一つに、「究極解から発想する」という言葉があります。物事を考えるとき、無意識に設定している前提や制約を取り払い、最良の解答を見つけるという考え方です。私は入社した時からこの考え方がすごく好きで、日常の業務でも意識するようにしてきました。メタ的視点は、「究極解から発想する」を自分なりに実践したことでより磨かれたと思っています。

自分の作ったもので世界を動かす

稲岡さんの今後の目標を教えてください

私が現在注目しているのは、生成AIなどで注目されている大規模言語モデル(LLM)の技術です。LLMは発展が目覚ましく、多くの企業がしのぎを削って取り組んでいます。これまで学んできた自然言語処理研究の知見を活かして、LLMを用いてFaber Companyが提供するサービスの価値の最大化を実現したいと考えています。

非常にわくわくする未来ですね。最後に、Faber Companyを志望する皆さんにメッセージをお願いします。

研究開発に限らず、あらゆる仕事には得た情報をもとに何をするか判断する場面が何度も訪れます。そして、自分が正しいと思った判断に対して、信じて任せてくれる場面が多いことが、Faber Companyの魅力だと私は考えています。だからこそ、自分の専門性に自信を持って主体的に動ける人が、この会社には向いているのではないでしょうか。その上で、Faber Companyに興味がある皆さんには、私が入社の挨拶で話した言葉を贈りたいと思います。この言葉に共感してくださる人と、一緒に働けたら嬉しいです。

愚直な取り組みを重んじよう

洗練された技術の実践だけが技術者の役割ではありません。 一のためなら十の努力をも厭わないという姿勢は、 泥臭い苦労の先にある理想を実現できると信じています。

要求を超えて相手を理解しよう

欲しがられるものの先に究極解はありません。 その先にあるものについて心から理解することが 相手のためになる活動へと繋がり、真の感謝が返ってきます。

唯一無二を発揮しよう

Faber Companyにおいて遠慮は美徳ではありません。 仲間と積極的にぶつかり合い、互いに原石を磨き合うことで、 「●●さんといえば○○」「○○といえば●●さん」の信頼関係が生まれます。

※写真はすべてWeWork神谷町トラストタワーにて撮影

 

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