経歴

  • 学生時代

    明石高専 電気情報工学科から長岡技術科学大学 電気電子情報工学課程に3年次編入。
    自然言語処理の研究に取り組み、修士課程を修了。
    課外活動としてNHK高専ロボコンおよびNHK学生ロボコンに参加。

  • 2020

    1年目 Faber Companyに入社。

    ミエルカ開発チームに参画し、社内蓄積データの分析に従事。

  • 2021

    2年目

    ミエルカヒートマップのシステム改善に従事。

  • 2022

    3年目

    テックリードチームに参画。
    リサーチャーとして研究活動に従事し、言語理解とコミュニケーション研究会(電子情報通信学会)で研究成果を発表。

  • 2023~

    4年目~

    検索意図の推定に関する研究に従事。
    人工知能を活用したコンテンツ作成支援技術を開拓。

現在の業務について教えてください。

Webユーザーの行動や思考を分析する自社ツール・MIERUCA(ミエルカ)で活用している「自然言語処理」の研究が中心です。仮説の構築と検証、そこから論文を書くのが日常業務ですね。先行研究の調査で論文を読む時間も多いです。ミエルカの新機能開発のために自然言語処理やAIが必要になったら、それについて最新情報をキャッチアップしたり、プロトタイプを作ったりするのも私の仕事です。

入社1〜2年目以降は、ミエルカの新機能を開発したり、ミエルカヒートマップのバックエンド側のインフラに大規模な変更を加えるなどの開発業務にも就きましたが、3年目からは、実際に機能を作るための中心技術について「調べる」ことが主な仕事になりました。当社としても、研究に本格的に取り組むようになったからです。

2022年9月には、新たなキーワード抽出方法について「周辺フレーズ情報の獲得に基づくキーワード抽出の検討」と題した論文を書き上げ、慶應義塾大学矢上キャンパスで開催された第19回テキストアナリティクス・シンポジウムで研究成果として発表しました。

2022年9月13日に登壇した時の様子

最近力を入れていることは何ですか?

最新の対話型AI(人工知能)であるChatGPT​​に見られるような、大量のテキストデータを読み込ませる大規模言語モデルの発展が目覚ましいと感じています。従来の自然言語処理研究で得られている知見を活かして、その性能をもっと引き出せないかと試行錯誤しています。

古い知識と新しい知識の融合でトラブル解決。「幅広い興味」こそが武器になる

AIの知識を持つ学生を多くの企業が求めていますが、なぜFaber Companyを選んだのですか?

大学で自然言語処理の研究をしていたので、それを活かせる就職先を探して、学会のスポンサーなども含めていろいろな企業を調べたり、実際に面談を受けたりしていました。その中で、当社は開発だけでなく、研究成果を活かした実際のツール、サービスの開発に対する「意欲」がチームに浸透しているのが一番の理由です。

先輩である青柳をはじめ、エンジニアチームのメンバーと何度か面談したのですが、Webの会社なのでWeb周りの技術に詳しいのは当然としても、それに限らない全般的な知識があり、自分事として意欲的に技術をキャッチアップしていました。「すぐに業務に活かせるわけではない知識だな……」と思いつつ、「主体的に知識・技術の向上を続けているこの人たちと一緒に働きたい」と感じたのも入社の理由です。

ただ、入社後に痛感したのですが、何かトラブルに直面した時に、問題を起点として深く掘っていくと、実はWebのレイヤーでなく、低レイヤー領域の知識も必要だったりするのです。ある程度の知見があると、違った方法でのアプローチも可能だったり、より良い解が見つかったりすることも実際にあるんだなと。結果的にスピーディーに解決ができるので、常に幅広い知識を得続けることは欠かせないと感じています。

学生時代はどのような活動をしていたのでしょうか?

高等専門学校から長岡科学技術大学に進学し、在学中はNHKが主催している学生ロボコンに参加したり、自然言語処理の研究を学会や国際会議で発表したりしていました。もともと高専のときから、ソフトとハード両方に興味がありました。良い制御をしようすると、電気系統や基板までしっかりしていないとできないので、ロボコンがきっかけで技術に対するあくなき欲求が生まれた気がします。

それが稲岡さんの強みに繋がっているのかも知れませんね。

興味の持ち方が幅広いところは自分でも強みかなと思ってます。本来のWeb技術だけでない周辺領域への興味や、それを活かした開発ができます。
また既存の研究で得られた技術の調査は得意ですね。

働き始めて痛感した、理論と実務の壁。仲間と超えるからこそ面白い

印象に残っている仕事はありますか?

産学共同研究で、「社員」という立場で研究発表した仕事は、一学生として取り組んだ研究と比べて明らかに難しいと感じました。

理論上可能なのに、企業実務では想定通りにいかないという難しさを感じたのは、入社後にヒートマップサービスのインフラ入れ替えをした時もそうです。取り掛かる前は、早い段階で「こうすればいい」という筋道は立っていたのです。しかし実際に実現しようとすると、低レイヤーで引っかかるところが多く……。人間が見る見た目と同じようなページを再現する仕組み(=ブラウザ)を使ってみようとしたものの、うまく実現できませんでした。

そこで「ブラウザがどのような仕組みで動いているのか」という基礎的なところから見直し、サーバーで利用しているLinux Kernelに関連する問題を特定できたことで、何とか解決できました。社内での協力や知見を得ながら問題解決に至れたのはよかったですね。

メインで扱っている技術だけでなく、それを支える仕組みにアプローチすることで最終的にうまくいったので、やはり幅広い技術を知っておくことは必要だと実感した一件でした。

今後どのようにキャリアを積んでいきたいですか?

前述したように大規模言語モデルの発展が目覚ましく、いろんな企業がしのぎを削っています。従来の自然言語処理研究で得られている知見を活かして、性能を最大化できないだろうか?あるいは他の分野の技術を活かして、性能を引き出せないか?と日々考えながら調査をしています。ぜひ実現につなげたいですね。

Faber Companyを受ける人に一言メッセージを!

技術者に限ったことでなく、これから社会人になる人たちに、私が入社の挨拶で話した内容をお伝えしたいです。指示されたことの枠を超えて「何を求められているのか」という本質を理解していることが重要だと思います。その結果としての「実行」をプラスしていくと、きっと唯一無二の価値を提供していくことができるのではないでしょうか。

愚直な取り組みを重んじよう

洗練された技術の実践だけが技術者の役割ではありません。 一のためなら十の努力をも厭わないという姿勢は、 泥臭い苦労の先にある理想を実現できると信じています。

要求を超えて相手を理解しよう

欲しがられるものの先に究極解はありません。 その先にあるものについて心から理解することが 相手のためになる活動へと繋がり、真の感謝が返ってきます。

唯一無二を発揮しよう

Faber Companyにおいて遠慮は美徳ではありません。 仲間と積極的にぶつかり合い、互いに原石を磨き合うことで、 「●●さんといえば○○」「○○といえば●●さん」の信頼関係が生まれます。

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