松本 千紘
以前は地方の銀行で個人向けの営業をしていました。金融商品の販売によって、お客様の課題を解決するという業務です。私は人と話すことが大好きで、すぐに打ち解けられるので、結構おじいちゃんおばあちゃんから頼りにしてもらったりして…それが嬉しかったですね。
しかし一方で、社内で個人成績を競い合うことについては、まったく興味がありませんでした。また、個人営業って、広く浅くお客さんと関わっていくように感じたんですよね。それよりも、一つの仕事に深く長く関わっていけるような仕事がしたいと考え、思い切って転職をしました。
もともと、TVやWEBなどのメディア業界に憧れていて、世の中の不特定多数の人に影響を与えることができるメディアの仕事に興味がありました。広告のような、世の中に必要なサービスを裏側から支える存在になりたいという感じですね。それで転職サイトでWEB広告系の会社を探していました。
正直どの会社も同じように見え入社を決めかねていたのですが、そんななか、目に飛び込んできたのがFaber Companyの「コンテンツマーケティング」という言葉です。ユーザーの検索意図に沿ってコンテンツ(記事)を作ることで、世の中が必要としている情報を発信できるところに惹かれましたし、MIERUCA(ミエルカ)というWebマーケティング支援ツールを自社開発していることも知って、「ここは他社と違うな」と感じたことから入社を決めました。
はい。それぞれの専門分野に応じてコンテンツマーケティングに取り組む部署です。私はその中で、美容に関するコンテンツ制作を手掛けています。
前職とはまるで文化が違うため、初めは緊張しました。でも経営陣も同僚もみんな温かい人柄で、たくさん話しかけてきてくれたので、すぐに馴染めたんです。ワンフロアだから他部署の人でも顔は分かるし、おやつタイムという交流の場もあって、話のきっかけも掴みやすかったんですよね。自分から積極的に話しかけるタイプではない人ももちろんいますが、話しかけたら100%リアクションを返してくれますよ。
皆さんもよくGoogleなどで検索をすると思うのですが、ユーザーが検索した時の気持ち・知りたがっている情報にしっかり答えたコンテンツを作成すると、そのページに対してユーザーが満足します。すると検索エンジンにも高く評価され、検索順位が上がります。つまり、良いコンテンツが蓄積できれば、結果としてさらに多くの人がそのサイトに訪れ、企業や商品の認知が上がる。その流れのベースを作るのがコンテンツディレクターの仕事です。
日々の業務は幅広いのですが、大きくはサイト制作とサイト運用の2つの段階に分かれます。
サイト制作では、ターゲットユーザーに合わせたコンテンツの設計やサイトデザインなどを行います。必要に応じて、外部のライターやデザイン会社などともやり取りしながら進めています。
一方、サイト運用では、サイトへの集客が目標に近づいているか、そのページがクリックされる率や滞在時間はどうか、最後まで読み終わった人はどれぐらいいるかなどの分析を行います。この段階では、社内のミエルカチームからもサイト分析の技術を教わりながら、サイト改善の施策へとつなげています。
面白いのは、ユーザーの検索意図やニーズを想像して、コンテンツに入れるべきテーマを考えることですね。たとえば、美容関連のキーワードで検索した人のニーズは「肌の悩みを自宅ケアで解決すること」なのか、「安いサロンを見つけること」か、はたまた「美容施術の料金相場を知ること」なのか。ニーズに合ったテーマを的確に選ばないと、サイトに来てもらえませんし、コンテンツを読んでもらうこともできません。
また、コンテンツの文章は一度書いたら終わりではなく、より良くするために分析と改善を続けていきます。その一連のプロセスによってサイトの評価が上がったり成果が出せたりするので、自分の想定通りにいくとうれしいですね。そこがコンテンツマーケティングの面白さだと思います。
難しいのは、いくら頭で仮説を考えても、Webでは実装してみないと結果が分からない点です。私は性格上、行動に移す前によく考えたい、石橋を叩いて渡りたいタイプなのですが、それでは仕事が進まないところがあって、「まず試す」という意識に変えるまではすごく難しいと思いました。
はい。上司に「考えるのと悩むのは違う」ということをたびたび言われ、それまでの私は、考えるというより悩んでいたのだと気づきました。他にも「決めるから次にいける」というアドバイスをもらってからは、「決めたらそれで終わりじゃない」という発想も生まれました。
今は、「決めるために考える」ということを大事にしています。具体的に言うと、コンテンツ制作でもサイト分析でも、多くの情報から仮説を立てて、アクションを決めなければなりませんが、インプットする情報が多いため悩んでしまいそうになります。そこで、ミエルカの機能を使って必要な要素を洗い出し、それらを取捨選択してから優先順位をつけるというプロセスを経るよう意識し、「決める」ところまで持って行く訓練を日々しています。
もう一つチームが大切にしていることが、個々の考えを臆せず伝え合うことです。サイト分析や改善をするとき、仮説を立てたら上司にチェックをしてもらいますが、修正指示があっても「私はこういう意図なのですが、それでも修正すべきですか?」と意見することもあります。上司に思ったことを言えない職場も多いと思うのですが、私の上司は意見を伝えると議論する時間をしっかり取ってくれて、なかなか納得しない私にもとことん付き合ってくれます。それに甘えてはいけませんが、理解して先へ進めるからありがたいなと思います。
私のいる美容のチームは、ある意味では別会社みたいで、会社にとっての仮想顧客のような位置付けだと思っています。というのも、運営しているサイトを使ってミエルカの新しい機能を試し、仮説・実装・成果の流れを、開発チームに伝え、機能改善に役立ててもらうことができるのです。しかも、もともとのスキル保有者ではなく、私のような分析の初心者が実際にミエルカを使ってサイト運営を行うからこそ、ツールの実力が測れますし、社外に伝えるときの説得力が増しますよね。
今取り組んでいる仕事の延長線上で成果を出していけば、ミエルカの良さがもっと世の中に伝わると思うので、早く成功事例を作って、会社に貢献できるようになりたいです。
基本的に、楽しいと思える仕事をずっとやっていたいですね。
実は、もともと転職には後ろ向きな感情があったのですが、Faber Companyに入ってみて、自分が居心地の良い場所を探すために転職するのは良いことだと思ったんです。そして、そのために不可欠なものが自分のスキルなんですよね。社内を見渡すと、みんな得意な分野でスキルを持ち、セミナーで語って人に教えることもできる人ばかりです。そういう同僚や先輩はとても尊敬できますね。
その点でまだ私は、WEBマーケティングのどの分野に強くなりたいのか、正直よくわかりません。サイト運営の一部始終にかかわる今の経験はすごく面白いので、続けていきながら、いつかこれというスキルを見つけて、Faber Companyのテーマである「職人」らしい人になりたいと思います。
他にも社内には、楽しそうに仕事をしながら子育ても頑張っているお母さんが多くて、私の理想的な女性像です。仕事と家庭を両立させる働き方も参考になりますので、今後自分が結婚・子育てなどのライフイベントが起こったときには、先輩たちからたくさんアドバイスもらいたいです(笑)
Faber Companyは、自分の強みを磨いていける場所です。逆に、まだ何がやりたいのか具体的に見つかっていない人でも、人生観がしっかりしていれば、学んでチャレンジさせてもらえる環境がここにはあると思います。
まだ会社が変化の途中なので、部署関係なくさまざまな業務に関れることも多いです。その分、「なんで私、担当じゃないのにこの仕事もやるの?」って思うことがあるかもしれませんね。たとえば私の場合、最近自分の業務の他に、採用活動にも取り組むようになったのですが、そこで否定的になってしまう人はきっと成長の機会を逃してしまう。自分のやることを決めつけないで、いろいろなことを経験して仕事を楽しみたいという人なら合っていると思いますし、どんどん成長していけると思いますね。
私も、もっと採用活動に取り組む比率を増やしたいとき、「やらせて欲しい」と声を上げればチャンスがもらえるでしょう。自分次第で、どんな道も切り開いていける希望がある、そういう会社だと私は思います。
(2019年5月現職)
メディア事業部 チームリーダー