岡本 洋佑
会場型オークションを行う企業で、国内外の美術品を査定して競売にかける仕事をしていました。その仕事を選んだ理由の一つは、突出した魅力のある商材に関わりたいという思いが人一倍強かったことです。それからたぶん、昔から好きだったインディージョーンズや007のような、冒険活劇の世界観に通じるところもあったからです(笑)。約3年勤める間にペルシャ絨毯の専任になり、まがい物を見分けるために精査したり目の細かさを数えたり、気づけば社内で一番絨毯に詳しい人間になっていました。
美術品の取引は信用商売ですし、お客様は個人の年配の方が多かったので、前職では相手を敬いながら丁寧に商談する技術が身につきました。しかし、基本的には待つ営業でしたから、このまま社会人生活がのんびりと終わってしまうのでは、という危機感もありました。
私には、「30代になる頃には、どこへ出ても通用する営業力を手にしたい」という目標がありましたが、それを普通の会社ではなく、やはり非凡な商材を扱う会社でやりたいと思っていました。Faber Companyを知ったときは、「MIERUCAという変わったツールを売っている会社だな」と、とても興味を引かれました。
というのも、SEOのコンサルをやってきた会社が10年ものノウハウをギュッと詰め込んで、誰もが使えるツールとして提供するなんて、普通は考えられないですよね。大切な手の内を全部さらしてしまうなんてどういうつもりだろう?と思い、話を聞いてみたくなったのです。
入社の決め手は、稲次(取締役社長COO)から「我々はベンチャー企業であることを免罪符にしない会社」という話をきき、かかげている「職人」というテーマが、私の硬い性格や営業経験と合うと思えたことでした。一次面接の担当は、私が今いる営業チームのマネージャー、田中聡(たなかさとる)だったのですが、そのときの第一印象も面白くて、会うなり「メモを取るからパソコンを見ていることもあるけど、“俺、今いいこと言ったよ”って思ったら、ちゃんと伝えてね!」と言われまして。型にはまらない面接でしたし、これほど話を聞いてくれて、合うか合わないかを確かめることができた面接は人生初でした。
そうですね。対個人の営業から法人営業へ、アナログが好まれる業界からIT業界へ。前職でのんびりと営業していた時間を取り戻すのに、ベンチャーはうってつけだと思っていましたが、想像以上でした。入社したのは3か月前なのですが、正直に言うと最初の1か月はかなり辛く、記憶がほぼ飛んでしまっているくらいです。
まず、日常的に飛び交う専門用語の意味がわからないため、片端から調べて覚える、とにかくMIERUCAを触ってみる、の繰り返しでした。営業方法については、先輩に同行して実際に現場を見せてもらうことで学んでいきました。
そうして、2週間程経つと、「そろそろ1人で行ける?」という話になりそこからは独り立ちです。自分一人では難しそうなときは先輩に一緒に来てもらったり、ロールプレイングを挟んだりしつつ、1か月が過ぎた頃からは、「お客様はこんなふうに困っているだろうから、この機能を提案しよう」といった仮説が立てられるようになっていきました。
MIERUCAは商品力が強いので、実物を見せると伝わる部分も大きいのですが、そもそも「WEBで集客してどうするの」「SEOなんて邪道だよ」と感じるお客様もいます。それから法人営業の特徴として、成約までに稟議という段階を踏む必要があります。そのため、担当者が社内でMIERUCAを導入しやすいような資料作成を心がけながら、アプローチしています。
また、MIERUCAは導入しただけで全てが変わる魔法のツールではなく、お客様に手を動かして使ってもらうことで初めて効果が出てくるものですから、資料を見せながら簡単なことを実践してもらいます。たとえば、「MIERUCAのこの機能を使って、この記事をアップし直してください、きっとページランクが変わりますから」とお伝えして、実際に改善効果が現れると「これでやっとGoogleアナリティクスのデータが使えるようになるね」と、言っていただけたことがありました。
MIERUCAはアクセス解析の第一人者が監修しているので、サイトのレポーティング機能はとても見やすく、そのうえサイトの改善ポイントまで提示しているので、とくに現場のマーケッターには刺さるようです。
説明している私も、MIERUCAは間違いなくオンリーワンだと感じています。現状多くのマーケッターが調査分析に割いている時間を短縮して、もっと施策に注力できるように、MIERUCAでサポートをしていきたいですね。
毎日、この歳でこんなに知らないことがあるなんて、と思う反面、新しい知識がどんどん入ってくることが楽しいです。営業前に、お客様の業界についても結構調べるのですが、Faber Companyには他業界の出身者や熱い人が多いため、業界勉強を手伝ってもらえることもあります。
そして、商談相手にこちらが理解していることが伝わって、心を開いてもらえたときも嬉しく感じます。会話をするうちに、初めは興味なさそうにしていたお客様がだんだん前傾姿勢になってくると、心の中で「よしっ!」となります。お客様とのやり取りはとても面白い部分ですし、話を聞き出すことは自分の強みの一つですので、未知の情報を引き出して、ネクストアクションに組み込むことができれば最高です。
9時30分に業務がスタートします。多いときで1日に4件から5件のアポイントがあり、すべての商談先をまわると帰社が夕方になることもあります。
週3回は、営業部のメンバーでミーティングをします。そこで営業の進捗状況や確認事項、お客様にこんなところが刺さったよ、という報告などが共有されます。
Faber Companyではみんながスピード感を持って仕事していますが、今の私は気づいたら夕方になっていて、1日の時間が足りません。前職での「仕事がしたければ会社に泊まったっていい」という考え方も体に染み付いているので、根本的に変えて作業効率を上げていくことが一番の課題です。
これは今の課題にも関係する話なのですが、近くの席に、入社時期はあまり変わらないけれど、ものすごい営業技術を持っている目上の同僚がいまして。ある日その人に、「自分のスケジュール管理もできない人が、仕事の段取りを組める訳がないよ。次に起こす行動を分かっていないと、相手を動かすことはできないよ」と言われました。たまに近づいて来て、そういうズバッと切り込む助言をくれるのですが、これも前職ではしたことのない経験でした。
つまり、社内には尊敬できるキャリアを積んできた人がたくさんいて、そういう人たちの言うことは、基本的に間違っていないと思っています。年下にもすごいスキルを持った人がいるし、良い意味でみんなが対等に接することができるフラットな環境です。
ですから、自分のやり方に固執し過ぎないで、人の意見に素直に耳を傾けて柔軟に吸収できる人なら、結果もついてきやすいのではないでしょうか。
私自身も、そういう環境から盗めるものは盗んで、目標としている営業力を身に付け、社内から評価される人になりたいと考えています。お客さんから評価されることは当然大事ですが、優れた同僚たちから認められることも目標にしていきたいです。
今、Faber Companyは一層高い目標に向かってみんなが頑張っている、激動の時期だと感じています。新年度のキックオフ合宿で今後のミッションについて話を聞き、MIERUCA以外のインターネットメディア事業やSEOのコンサルティングなどの事業にも大きな可能性があることを理解しました。突出した自社の商材をうまく活かして、お客様によって違う困りごとを、より良い方法で解決していければと考えています。
(2019年5月現職)
ミエルカ事業部 ヒートマップチーム