
「独身のまま老後を迎えても大丈夫なの?」
「このまま1人だと将来はどうなってしまうのだろうか」
未婚の人ならば、誰もが一度は持つ不安ではないでしょうか?
いまは楽しんでいたとしても、歳をとってから困りごとが出てくるのではないかと思うと、どうしていいかわかりませんよね。結婚願望がある人ならば余計に焦る気持ちもわかります。
将来の不安を和らげるには、具体的なリスクを理解したうえでしっかり準備をしておくことが重要です。とくに、老後に向けて十分な資金を蓄えておけば払拭できる懸念も少なくありません。
この記事では、独身のまま老後をむかえたときのリスクと、具体的に準備すべき資金について解説しています。将来に対してふわっとした不安がある未婚の方は、ぜひご覧ください。
将来独身になる割合は?未婚率データを元に解説
独身に将来訪れるリスクは?
独身が将来必要なお金はどれくらい?
独身が将来の資産を作るために出来る3つの方法
将来が不安な独身こそ資産の準備をしよう
将来独身になる割合は?未婚率データを元に解説

そもそも、将来も独身のまま一生を過ごす可能性はどのくらいあるのでしょうか?まずは未婚率のデータを確認してみましょう。
内閣府の調査によれば、未婚の男女の割合は以下のとおりです。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
25-29歳 | 72.7% | 61.3% |
30-34歳 | 47.1% | 34.6% |
35-39歳 | 35.0% | 23.9% |
50歳 | 29.5% | 18.7% |
(出典:令和2年版 少子化社会対策白書 全体版)
50歳になった段階でも、約5人に1人は未婚という状況です。なお、未婚率は年々上昇傾向にあるため、さらに多くの人が独身のまま老後を迎える可能性があります。
そのため、独身のままだったときに将来訪れるリスクを早めに知っておくことが大切です。
独身に将来訪れるリスクは?

それでは、将来訪れるリスクを具体的に解説していきます。大きく分けると、資金面では3つの懸念があります。
- 親の介護に時間と費用がかかる
- 失業後に仕事がなくなる
- 病気で孤独になる
そのほか、精神的な孤独感なども老後の不安として上げられますが、ここではお金にフォーカスしてお伝えします。
親の介護に時間と費用がかかる
自分自身が健康体だから大丈夫だと散財していると、親の介護にお金と時間を取られることもあります。
兄弟がおらず、親に十分な貯蓄がなければ、自分で面倒を見なければなりません。また、兄弟がみな結婚している場合も、自由のきく独身のあなたに任せっきりになる可能性もあります。
もちろんすべての介護を自分で受ける必要はありませんが、外部サービスを用いるにも費用がかかります。そのため、もうそろそろ将来に向けて貯蓄を始めようと思った頃に、うまくお金が貯められないという自体にもなり得るのです。
失業後に仕事がなくなる
独身の場合、50代近くになってから失業した場合のリスクも増します。
共働きの夫婦の場合は片方が失業してももうひとりの収入は残りますが、独身では0円になってしまいますよね。子どももいないので、その後頼る先も見つけづらいです。
病気で孤独になる
病気になってしまった場合の懸念も考えなければいけません。十分な費用がなければ、病院代を出すので精一杯になる可能性も出てきます。
老人ホームなどの施設利用も難しくなるので、孤独なまま病気と戦わなければありません。2040年頃には、大量の孤独死者が出るのではないかという予測もあるほどで、決して他人事ではない状態です。
独身が将来必要なお金はどれくらい?
ここまで、独身のまま老後を迎えるリスクを説明してきました。しかし、ここまで説明してきた不安は、早めから貯蓄をすることである程度減らせます。
では、どれくらい資金を用意しておけばよいのでしょうか?具体的に計算していきましょう。
収入
毎月保険料を納めてさえいれば、老後は年金をもらうことができます。引退後に収入が途絶えないのは安心ですね。
将来もらえる年金は、大きくわけて2種類あります。
国民年金
厚生年金
国民年金を25年以上収めた場合、平成30年度現在の平均月額は約55,000円です。また、事業所等に勤めており、厚生年金も25年以上納めている場合は約145,000円もらえます。
(参考:厚生労働省年金局 平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況)
もちろん、年金の納付状況など個人によってもらえる金額は変わります。自営業の場合は国民年金のみになるため要注意。また、女性の厚生年金保険の受給額の平均は約10万円となっています。
なお、将来もらえる年金額にについてもっと知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
https://www.fabercompany.co.jp/sugoi-card/toushi-nenkin生活費
それでは、将来の生活費にはどれくらいかかるのでしょうか?
政府がおこなった調査結果では、単身世帯の1ヶ月の消費支出の平均は162,833円。これだけ見ると、厚生年金の受給額で賄えそうに見えますよね。
しかし、このデータでは家賃の平均が22,645円。マイホームを持っている方がほとんどであると推察されます。そのため、持ち家を考えていない場合は、ここに将来の家賃を含めて考えないといけません。
また、年金収入は65歳から。仮に60歳で退職した場合、64歳までの生活費を蓄える必要もあります。
将来必要な額
それでは、将来に向けてどれくらい貯蓄しておく必要があるのでしょうか。国民年金だけ受給する場合、厚生年金も受給できる場合でシミュレーションしてみましょう。
持ち家がない場合も踏まえ、老後の生活費をざっくり1ヶ月20万円とします。すると、月々の不足金額は以下のとおりです。
国民年金のみ:5.5万円―20万円= 14.5万円不足
厚生年金あり:14.5万円―20万円= 5.5万円不足
2019年の調査によれば平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳。そのため85歳まで生きたと仮定すれば、65歳以降必要な金額は以下のとおりです。
国民年金のみ:14.5万円×12ヶ月×20年=3,480万円
厚生年金あり:5.5万円×12ヶ月×20年=1,320万円
実は2019年に、金融庁が「年金だけだと老後資金の2,000万円が不足する」というデータも示しています。今回のシミュレーションで、金融庁の発表が決して大げさではないことがわかったでしょう。
将来的に年金だけですべての費用を賄えない可能性が高いため、計画的に資産形成する必要があります。
独身が将来の資産を作るために出来る3つの方法
それでは、独身の人が将来に向けて資産を作るにはどうしたらよいのでしょうか?ここでは具体的な3つの手段を解説します。
- 固定費を下げる
- 副業で収入UP
- 資産運用する
ぜひ参考にしてください。
固定費を下げる
最初にすべきなのは、固定費を下げることです。たとえば、以下のような内容が上げられます。
- 格安SIMへの乗り換え
- 保険の見直し
- 電力会社の切り替え
- 家賃の低い家への引っ越し
ポイントは、固定でかかる金額を下げることです。節電や食費をちまちま削る節約はストレスがたまりがち。
一方で、毎月当たり前に払っていたプランを見直せば、精神的な負担はほとんどありません。
ぜひ、固定費から手を付けてみてください。
副業で収入UP
支出を減らしたとしても、お給料以上の稼ぎはありません。そこでおすすめなのが副業をすることです。副業解禁の流れを受け、スキマ時間を使って働ける仕事も増えてきています。
たとえば最近は、クラウドソーシングサービスの台頭など、在宅で副業できる仕組みもありますよね。このように副収入を得ていくのもおすすめです。
会社員として給料を5万UPさせるのは、役職が上がらない限りなかなか難しいもの。しかし、副業ならば休みの日や帰宅後の時間で収入アップしやすいです。
また、Webライティングや動画編集などのスキルを付ければ、徐々に報酬もアップしていきます。会社の業績が悪くボーナスがなくなるなどのイレギュラーがあったときも、収入の柱が他にあれば安心ですね。
貯蓄を増やすためにも、本業のリスクヘッジとしても、副業に挑戦するのはおすすめです。
資産運用する
副業に挑戦してみたいけど、本業で既に忙しく時間が取れない方もいるでしょう。また、時間が取れたとしても、無限に働けるわけではありません。
そのような方も含め、将来のために考えたいのが資産運用です。
もらった給料を銀行に預けても利息がほとんどつかない時代のため、貯蓄を眠らせておくのはもったいないものです。さらに将来的にインフレ(物価の上昇)が起きると、貯蓄が実質的に目減りしてしまいます。
資産運用をすることで、実際の物価の変化ともある程度連動しながら、資産を積み立てていくことができます。
特に「投資信託」は運用をプロのファンドマネージャーにお任せできるので初心者にもおすすめです。プロが考えたさまざまな投資先に分散して資産運用してくれるので、自分で1つの銘柄を買うのに比べてリスクを軽減できます。
毎月3万円を20年間貯金した場合、総額は約720万円。しかし、3%のリターンで積み立てた場合、20年後には約985万円になります。
もちろん利率は変動するため、20年後に実際の差額がいくらになるかは断言できませんが、投資信託で運用するメリットがあることは言うまでもないでしょう。
将来が不安な独身こそ資産の準備をしよう
独身なら、ふとした瞬間に将来が怖くなるのは特別なことではありません。一人で生き抜くためにも、大切なのは老後に向けた準備をしっかりと行うことです。
未来の不安を軽減する大きな手段の一つはお金。しっかりと資産を形成することで、老後の自分を支えることができます。
まずは自分のペースで少しずつ、貯蓄を増やしてみてください。